フルリの女神ニッカルに捧げるこの歌は、歌詞と音符の両方がわかっている最も古い音楽です。この作品は約3500年前に粘土板に書かれ、1950年代に考古学者によって古代都市ウガリットの遺跡で発見されました。
シュメールの楔形文字を使用してフルリ語で書かれたこのタブレットは、多くの著名な学者によって長年にわたって研究され、音楽をどのように解釈すべきかについていくつかの説が唱えられてきました。私の意見では 、最も徹底的で説得力のある（そして最も音楽的な）解釈は、考古音楽学者リチャード・J・ダンブリル博士 によって提供されたものであり 、このビデオで聴くことができるのはその解釈です。
私が演奏している首の長いリュートは、トルコのバーラマ（サズ）とペルシャのセタールを掛け合わせたようなものです。この楽器は、 実験として自分で作りました。弦は4本ですが、低音はダブルコースになっています。チューニングはF-C-Fです。このタイプのリュートは、メソポタミアやアナトリアの各地で、最も古い時代から演奏されてきたものです。
聞こえてくるパイプは 、1920年代にシュメールの都市ウルで発見された5000年前の銀製パイプのレプリカです。これはリード楽器ですが、 管楽器と歌を同時に演奏することができないため 、パイプをサンプリングし、オルガン奏者が使うようなペダルキーボードによって演奏しています。左足で低音域のパイプを、右足で高音域を操作しています。これらの楽器の演奏者は、「循環呼吸」として知られる技術を使用しました。アルメニアのドゥドゥクやオーストラリアのディジュリドゥなどの管楽器で今日でも使われています。この曲は生演奏で、一発録りです。何も付け加えたり、オーバーダビングしたりはしていません。
この曲のテキストは、フリル語が十分に研究されていないことと、オリジナルの石版の一部が欠落していることから、よく理解されていません。女神ニッカルは、他の月の神々と同様に、豊穣と出産に関連していました。これは、専門家が歌手によって歌われていると考えているものについてのおおまかな考えです。私はこれを文字通りではなく詩的にしようとした。
私は女神に供物を捧げました
彼女が愛に心を開いてくれますように。
そして、私の罪が赦されますように。
私の甘いごま油の瓶が彼女を喜ばせますように。
私たちを優しく見守ってくれますように。
そして、私たちを実りあるものにしてください。
芽吹く穀物畑のように。
女性が夫と一緒に産み落とせますように
そして、まだ処女である人たちが
いつか子宝に恵まれますように。